はじめに
営業の商談で、
「現在、何かお困りのことはありますか?」
と聞いたことはありませんか?
すると、
「採用に困っています」
「売上を増やしたいです」
「業務を効率化したいです」
といった回答が返ってきます。
営業を始めた頃の私は、ここで、
「では、弊社の商品がお役に立てます」
とすぐ商品説明へ進むことがありました。
しかし、
「困っています」の一言だけでは、本当の課題はまだ分かりません。
営業を10年以上経験して感じるのは、良い提案を作るためには、その背景をもう一段深く聞くことが大切だということです。
今回は、営業ヒアリングで課題を深掘りする時に使いやすい5つの質問をご紹介します。
①「具体的には、どのような状況ですか?」
最初に使いやすい質問です。
例えば、
「採用に困っています」
と言われたとします。
そこで、
「具体的には、どのような状況でしょうか?」
と聞いてみます。
すると、
「応募は来るけれど、20代からの応募が少ない」
「応募数自体が足りない」
「採用してもすぐ辞めてしまう」
など、状況が見えてきます。
同じ「採用に困っている」でも、必要な提案は違います。
抽象的な悩みを、具体的な状況に変える。
まずここから始めます。
②「いつ頃から困っていますか?」
次に確認したいのが、課題が発生した時期です。
例えば、
「半年ほど前からです」
という回答なら、
「その頃に何か変化がありましたか?」
と続けられます。
新しい競合が出てきた。
担当者が変わった。
商品価格を変更した。
会社の方針が変わった。
課題が始まった時期を確認すると、原因のヒントが見つかることがあります。
単に「困っています」で終わらず、
いつから変わったのか
を聞いてみます。
③「今はどのように対応していますか?」
課題があるからといって、お客様が何もしていないとは限りません。
すでに、
- 他社サービスを利用している
- 社内で対応している
- 別の方法を試している
可能性があります。
そこで、
「現在はどのように対応されていますか?」
と確認します。
さらに、
「その方法でうまくいっている部分と、難しい部分はありますか?」
まで聞ければ、現在の方法では解決できていない部分が見えてきます。
これは自社の商品を提案する時にも重要な情報です。
④「このままだと、どんな影響がありますか?」
課題が分かったら、その影響も確認します。
例えば、
「営業担当者の事務作業が多い」
という課題があったとします。
さらに聞くと、
「事務作業に毎日2時間かかっていて、顧客訪問の時間が減っています」
という話が出るかもしれません。
すると、
「事務作業が多い」
から、
「営業活動に使える時間が減っている」
という、より具体的な問題が見えてきます。
ただし、不安を煽るような聞き方は必要ありません。
現在の課題が仕事にどのような影響を与えているのかを確認するイメージです。
⑤「理想はどのような状態ですか?」
最後に確認したいのが、お客様が目指している状態です。
例えば、
「問い合わせを増やしたい」
だけではなく、
「月20件の問い合わせを30件にしたい」
まで分かれば、提案も具体的になります。
私は、
課題だけでなく、ゴールまで聞く
ことが大切だと思っています。
現在地だけ聞いても、どこへ向かいたいのか分からなければ提案を作りにくいからです。
「最終的にどのような状態になれば理想でしょうか?」
と聞いてみます。
5つを全部聞く必要はない
今回紹介した質問は、
- 具体的にはどんな状況か
- いつから困っているか
- 今はどう対応しているか
- どんな影響があるか
- 理想はどんな状態か
の5つです。
ただし、商談で順番にすべて聞く必要はありません。
質問リストを読み上げるだけでは、尋問のようになってしまいます。
例えば、
「応募が少なくて困っています」
「そうなんですね。具体的には、どのくらい足りていないのでしょうか?」
「営業職を5人採用したいのですが、まだ2人しか採用できていません」
「現在はどのような方法で募集されていますか?」
というように、相手の回答から次の質問を考えることが大切です。
私がヒアリングで大切だと思うこと
営業を始めた頃の私は、
「良い質問をしなければ」
と考えすぎていました。
しかし今は、難しい質問を用意する必要はないと思っています。
お客様が、
「〇〇に困っています」
と言ったら、
「それは、具体的にはどういうことだろう?」
と興味を持つ。
そして一つずつ聞いていく。
営業ヒアリングは、質問テクニックを披露する時間ではありません。
お客様が話した一言を、そのままにしないこと。
それだけでも、見えてくる課題は変わると思います。
まとめ
営業ヒアリングで課題を深掘りする時は、次の5つを意識してみてください。
- 具体的な状況を聞く
- いつからなのか聞く
- 現在の対応を聞く
- 課題による影響を聞く
- 理想の状態を聞く
そして、すべてを一度に聞こうとする必要はありません。
まず次の商談で、お客様から、
「〇〇に困っています」
と言われたら、すぐ商品説明へ進まず、
「具体的には、どのような状況でしょうか?」
と一つ聞いてみる。
そこから始めてみてください。

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