はじめに
営業をしていると、既存のお客様から、
「〇〇さんを紹介しますよ」
と言っていただけることがあります。
紹介営業の大きなメリットは、最初から一定の信用がある状態で話を始められることです。
一方で、
「誰か紹介してください」
と突然お願いしても、お客様を困らせてしまいます。
私も営業を始めた頃は、紹介をもらうためには「お願いすること」が重要だと思っていました。
しかし、10年以上営業を経験して感じるのは、紹介で一番大切なのはお願いの仕方ではありません。
「この営業なら、自分の知り合いに紹介しても大丈夫」と思ってもらえることです。
今回は、既存顧客から紹介をいただくために意識したい5つのポイントをご紹介します。
①まず目の前のお客様に満足してもらう
紹介をお願いする前に、最も大切なことがあります。
それは、現在のお客様に満足していただくことです。
例えば、
- 約束した期限を守る
- 問い合わせに丁寧に対応する
- 困った時にすぐ動く
- 契約後もフォローする
こうした基本的な対応を積み重ねます。
自分自身が満足していない商品や営業担当を、大切な知人に紹介しようとは思いません。
紹介営業も、普段の営業活動の延長線上にあります。
②紹介する相手を具体的にする
「誰か紹介していただけませんか?」
だけでは、お客様も誰を紹介すればよいか分かりません。
そこで、
「もし同じように〇〇で困っている企業様がいらっしゃいましたら」
というように、対象を具体的にします。
例えば、
「採用に困っている企業」
「業務効率化を検討している会社」
「〇〇業界の担当者」
などです。
対象が具体的になると、
「あの会社なら困っているかもしれない」
と、お客様も思い浮かべやすくなります。
③お願いするタイミングを考える
紹介をお願いするタイミングも重要です。
例えば、
- お客様から良い評価をいただいた時
- 導入後に成果が出た時
- 契約を継続していただいた時
などは、比較的お願いしやすいタイミングです。
反対に、トラブル対応中や契約直後など、お客様がまだ価値を実感していない段階で紹介を求めるのは避けた方がよいでしょう。
営業側が紹介してほしいタイミングではなく、お客様が「頼んで良かった」と感じているタイミングを意識します。
④紹介する人の負担を小さくする
お客様にとって、人を紹介することには責任が伴います。
そのため、
「紹介した後は、こちらで丁寧に対応します」
と伝えておくことも大切です。
また、
「まずはメールでおつなぎいただくだけで大丈夫です」
など、お願いする内容を簡単にします。
紹介するために長い説明文を書いてもらったり、日程調整までお願いしたりすると、お客様の負担が大きくなります。
紹介していただく側が、できるだけ手間を引き取る。
この意識を持っておきたいところです。
⑤紹介後こそ丁寧に対応する
紹介していただいたら、それで終わりではありません。
むしろ、ここからが重要です。
紹介された相手への対応が悪ければ、紹介してくださったお客様の信用まで傷つけてしまいます。
また、商談後には、
「本日〇〇様とお話しさせていただきました。ご紹介いただき、本当にありがとうございました」
とお礼を伝えます。
契約にならなかったとしても、感謝は変わりません。
紹介してくださったこと自体に、きちんとお礼を伝えることが大切です。
紹介をお願いするときの伝え方
例えば、お客様から良い評価をいただいた時には、次のように伝えられます。
「ありがとうございます。もし周りに同じような〇〇の課題でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談いただけると嬉しいです。もちろん、ご紹介いただいた後はこちらで丁寧に対応いたします。」
ポイントは、
無理に紹介を求めないことです。
「必ず紹介してください」という雰囲気を出してしまうと、それまで築いてきた関係を損なう可能性があります。
紹介できる人がいなければ、それで問題ありません。
紹介されたら、すぐに売ろうとしない
紹介を受けると、
「せっかく紹介してもらったから契約につなげたい」
という気持ちが強くなります。
しかし、紹介された相手にも事情があります。
まずは、
「〇〇様からご紹介いただきました。ありがとうございます」
と経緯を伝え、
「現在どのようなことでお困りなのか」
を聞くところから始めます。
紹介されたからといって、すぐに商品説明を始める必要はありません。
通常の営業と同じように、相手を理解することが最初です。
私が紹介営業で大切だと思うこと
紹介は、営業担当だけでは成立しません。
紹介するお客様は、自分自身の信用を使って人と人をつないでくださっています。
だからこそ、
「紹介してもらって当然」と考えないこと。
これが一番大切だと思っています。
普段から丁寧に対応する。
成果を出す。
困った時に動く。
そして、その結果として、
「この人なら紹介しても大丈夫」
と思っていただく。
紹介を増やす一番の近道は、紹介のテクニックを覚えることではなく、目の前のお客様を大切にすることなのだと思います。
まとめ
既存顧客から紹介をもらうためには、次の5つを意識してみてください。
- まず目の前のお客様に満足してもらう
- 紹介してほしい相手を具体的にする
- お願いするタイミングを考える
- 紹介する人の負担を小さくする
- 紹介後こそ丁寧に対応する
紹介営業は、
「誰か紹介してください」
とお願いすることから始まるものではありません。
「この人なら紹介したい」と思っていただける営業になること。
日々の小さな対応を積み重ねることが、結果として新しいお客様との出会いにつながっていくのだと思います。

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