はじめに
営業というと、新しいお客様を探して契約を取ることに目が向きがちです。
しかし、営業を10年以上経験して感じるのは、既存のお客様との関係を深めることも非常に重要だということです。
すでに取引があるからといって、次の仕事が自然に生まれるわけではありません。
反対に、
「何か追加で購入してもらえませんか?」
と売り込みばかりしていても、長い関係にはつながりません。
大切なのは、現在の取引を大事にしながら、新しい課題を見つけることです。
今回は、既存顧客から追加受注につなげるために、私が意識している5つのポイントをご紹介します。
①まずは現在の契約に満足してもらう
追加提案を考える前に、最初に確認したいのが現在の契約です。
今の商品やサービスに不満がある状態で、別の商品を提案しても、
「まず今の問題を解決してほしい」
と思われてしまいます。
そのため、
「現在ご利用いただいていて、困っていることはありませんか?」
「改善してほしい点はありますか?」
と定期的に確認します。
追加受注を急ぐより、まず目の前の仕事をきちんとやることが大切です。
②定期的に状況を聞く
契約当初と半年後、1年後では、お客様の状況が変わっていることがあります。
例えば、
- 担当者が変わった
- 新しい事業が始まった
- 予算が変わった
- 新しい課題が生まれた
- 会社として力を入れる分野が変わった
などです。
契約時の情報だけを頼りにしていると、新しいニーズを見逃してしまいます。
「最近、何か変わったことはありますか?」
という簡単な質問からでも構いません。
定期的に話を聞くことで、新しい課題が見えてきます。
③商品ではなく「変化」から提案を考える
追加受注を増やそうとすると、
「次は何の商品を売ろう?」
と考えてしまいがちです。
しかし私は、
「お客様に何が変わったか」
から考えるようにしています。
例えば、
「新しい部署ができた」
のであれば、その部署にも現在のサービスを展開できるかもしれません。
「業務量が増えて困っている」
のであれば、別の商品で解決できる可能性があります。
商品からお客様を見るのではなく、お客様の変化から商品を考える。
この順番が重要です。
④他社の成功事例を共有する
追加提案のきっかけとして使いやすいのが、他のお客様の事例です。
例えば、
「同じような課題をお持ちだった企業様で、このような取り組みをされたケースがあります」
と情報提供します。
いきなり、
「こちらの商品はいかがですか?」
と提案するよりも、お客様自身が、
「それはうちでも使えるかもしれない」
と考えやすくなります。
ただし、事例を紹介するだけで終わらず、
「御社の場合はいかがでしょうか?」
と確認することが大切です。
⑤売るタイミングを急がない
お客様の課題が見つかっても、すぐに追加契約を提案する必要はありません。
予算や時期が合わない場合もあります。
例えば、
「来期であれば検討できそうです」
と言われたのであれば、その時期を記録しておきます。
そして適切なタイミングで、
「以前お話しいただいた〇〇について、その後状況はいかがでしょうか?」
と連絡します。
営業側が売りたいタイミングではなく、お客様が必要になるタイミングで提案することが重要です。
既存顧客に使いやすい質問
既存のお客様との面談では、例えば次のような質問が使えます。
「現在ご利用いただいていて、何かお困りの点はありませんか?」
「以前お話しいただいた〇〇は、その後いかがですか?」
「最近、社内で新しく始まった取り組みなどはありますか?」
「今年、特に力を入れていることはありますか?」
こうした質問から、追加提案につながるヒントが見つかることがあります。
大切なのは、追加受注のために質問している雰囲気を出さないことです。
まずはお客様の状況を理解することから始めます。
私が既存顧客営業で大切にしていること
既存顧客への営業では、
「すでに関係があるから大丈夫」
と思ってしまうことがあります。
しかし、長く取引していただくほど、当たり前の対応を丁寧に続けることが重要になります。
連絡する。
約束を守る。
困っていることを聞く。
役立つ情報を届ける。
こうした積み重ねの先に、
「実は、もう一つ相談したいことがあるんですが……」
という話が出てくることがあります。
追加受注は、商品を売り込んだ結果というより、お客様との関係を積み重ねた結果として生まれるものだと感じています。
まとめ
既存顧客から追加受注につなげるためには、次の5つを意識してみてください。
- 現在の契約に満足してもらう
- 定期的に状況を確認する
- お客様の変化から提案を考える
- 他社の成功事例を共有する
- 売るタイミングを急がない
既存顧客営業では、
「次に何を売るか」
だけを考える必要はありません。
「今、このお客様に何が起きているのか」
を理解することが、新しい提案のスタートです。
目の前の取引を大切にしながら、お客様の変化に気づく。
その積み重ねが、追加受注だけでなく、長く相談していただける営業につながるのだと思います。

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