はじめに
営業をしていると、少しずつ担当する案件が増えていきます。
「見積もりを提出した会社」
「提案を検討している会社」
「来月もう一度連絡する会社」
「まだ初回商談が終わったばかりの会社」
案件が増えてくると、
「今日はどのお客様から対応すればいいのか?」
と迷うことがあります。
営業を始めた頃の私は、連絡しやすいお客様や、最近商談したお客様から順番に対応してしまうことがありました。
しかし、営業を10年以上経験して感じるのは、すべての案件を同じように追う必要はないということです。
営業に使える時間には限りがあります。
だからこそ、
「今、どの案件に時間を使うべきか」
を判断することが重要です。
今回は、営業案件の優先順位を考える時に確認したい5つの基準をご紹介します。
① 受注の可能性を見る
まず確認したいのが、
「この案件は、どのくらい具体的に進んでいるのか」
です。
例えば、
A社:具体的な見積もりを提出し、社内稟議中
B社:商品には興味があるが、導入時期は未定
C社:初回商談を終えたばかり
という3案件があったとします。
もちろん状況によりますが、一般的にはA社の方が受注に近いと考えられます。
そこで、
- 課題が明確になっているか
- 予算があるか
- 導入時期が決まっているか
- 決裁者まで話が進んでいるか
- 競合との比較状況はどうか
などを確認します。
「なんとなく契約してくれそう」ではなく、具体的な情報から受注の可能性を考えることが大切です。
② 受注予定時期を見る
受注確度だけでなく、
「いつ契約になる可能性があるのか」
も重要です。
例えば、
「導入したいが半年後」
という案件と、
「今月中に決めたい」
という案件があれば、今すぐ対応すべきなのは後者かもしれません。
そこで案件ごとに、
「いつまでに判断する予定なのか」
を確認します。
商談中にも、
「導入される場合、いつ頃を想定されていますか?」
「社内ではいつ頃までに判断される予定でしょうか?」
と聞いておくと、案件管理がしやすくなります。
期限が分からない案件は、営業側も優先順位を判断しにくくなります。
③ 売上金額だけで決めない
大きな案件があると、どうしても優先したくなります。
例えば、
A社:500万円
B社:100万円
なら、A社を追いたくなると思います。
しかし、
A社:500万円・受注可能性10%
B社:100万円・受注可能性80%
だったらどうでしょうか。
金額だけで判断すると、本来時間を使うべき案件を後回しにしてしまう可能性があります。
もちろん大型案件には大きな価値があります。
ただし、
「金額が大きい=最優先」ではありません。
金額、受注可能性、時期などを合わせて考えることが重要です。
④ 「次に何をするか」が決まっているかを見る
案件管理で私が特に重要だと思うのが、
次の行動が決まっているか
です。
例えば、
「来週火曜日に再提案する」
「金曜日までに見積もりを送る」
「お客様が社内確認後、15日に連絡する」
という案件は、次にやることが明確です。
一方で、
「検討中」
「そのうち連絡」
「時期未定」
だけでは、案件が進んでいるのか分かりません。
案件一覧を見た時に、
「次回アクション」と「期限」
が入っているか確認してみてください。
これだけでも、放置している案件を見つけやすくなります。
⑤ 「追わない案件」を決める
営業では、案件を増やすことばかり考えがちです。
しかし、案件管理では、
今は追わない案件を決めること
も重要です。
例えば、
- 何度連絡しても返信がない
- 導入予定がまったく決まっていない
- 予算がない
- 課題が明確ではない
- そもそも自社商品との相性が良くない
という案件です。
もちろん、将来契約になる可能性はあります。
しかし、すべてを毎週追い続けていると、本当に受注に近い案件へ使える時間が減ってしまいます。
例えば、
「今月は追わない」
「3か月後に再度連絡する」
と決めておけばよいのです。
案件を捨てるのではなく、追うタイミングを変える。
この考え方を持つと、営業活動を整理しやすくなります。
私なら案件を4つに分ける
営業初心者で案件管理が難しい場合は、まず複雑な仕組みを作る必要はありません。
例えば、担当案件を次の4つに分けてみます。
A:今すぐ動く案件
受注可能性が比較的高く、判断時期も近い案件。
見積もり、提案、社内確認など、次の行動が明確になっている状態です。
B:育てる案件
興味や課題はあるものの、まだ条件が揃っていない案件。
定期的に情報提供しながら、状況の変化を確認します。
C:将来案件
「来年度に検討する」など、時期が先の案件。
毎週追うのではなく、次に連絡する時期を決めておきます。
D:一旦停止する案件
反応がない、ニーズがない、時期も分からない案件。
無理に追わず、必要になった時に再開できる状態にしておきます。
この4つに分けるだけでも、
「今日、どの案件から動けばいいのか」
がかなり分かりやすくなります。
案件管理表に最低限入れたい項目
Excelやスプレッドシート、CRMなど、管理方法は会社によって違います。
ただ、営業初心者であれば、まず次の項目を確認できれば十分だと思います。
- 顧客名
- 提案内容
- 想定売上
- 現在の商談段階
- 受注予定時期
- 受注可能性
- 次回アクション
- 次回アクションの日付
特に、
「次回アクション」と「日付」
は必ず入れることをおすすめします。
案件管理表を見た瞬間に、
「今日やるべきこと」
が分かる状態を目指します。
毎朝5分だけ案件を確認する
案件管理は、表を作って終わりではありません。
情報が古くなれば意味がなくなります。
私は、毎朝すべての案件を長時間確認する必要はないと思っています。
まずは5分程度、
「今日動く案件はどれか」
「期限が近い案件はないか」
「止まっている案件はないか」
を確認します。
そして週に一度、
「AからBに変わった案件」
「しばらく動いていない案件」
「受注可能性が変わった案件」
を整理する。
これだけでも、案件を頭の中だけで管理する状態から抜け出しやすくなります。
私が案件管理で大切だと思うこと
営業を始めた頃は、
「案件がたくさんある=順調」
だと思っていました。
しかし、案件数が多くても、
「いつ決まるか分からない」
「次に何をするか決まっていない」
という案件ばかりでは、売上の見通しは立ちません。
だからこそ、今は案件数だけではなく、
「どこまで進んでいるのか」
「次に何をするのか」
「いつ判断されるのか」
を見ることが大切だと考えています。
営業案件を管理する目的は、きれいな管理表を作ることではありません。
限られた時間を、今動くべきお客様に使うこと。
そのための道具が案件管理だと思います。
まとめ
営業案件の優先順位を考える時は、次の5つを確認してみてください。
- 受注の可能性を見る
- 受注予定時期を見る
- 売上金額だけで判断しない
- 次の行動が決まっているか確認する
- 今は追わない案件も決める
案件が増えてくると、すべて重要に見えてきます。
しかし、営業に使える時間には限りがあります。
「どのお客様も追う」のではなく、「今どのお客様を追うべきか」を決める。
まずは担当案件を、
「今すぐ動く・育てる・将来・一旦停止」
の4つに分けてみてください。
営業活動の優先順位が、かなり見えやすくなると思います。

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