はじめに
営業をしていると、
「他社との違いは何ですか?」
「他社の方が安いのですが……」
と聞かれることがあります。
営業を始めた頃の私は、競合と比較されると、
「自社の方が優れていることを伝えなければ」
と考えていました。
しかし、10年以上営業を経験して感じるのは、競合との比較で大切なのは、勝ち負けを決めることではないということです。
お客様が何を基準に比較しているのかを理解し、その判断に必要な情報を伝える。
今回は、競合他社と比較された時に私が意識している5つのポイントをご紹介します。
①競合他社を否定しない
まず避けたいのが、
「他社の商品には〇〇という問題があります」
と競合を否定することです。
自社を良く見せるために他社を悪く言っても、お客様からの信用につながるとは限りません。
また、お客様がその会社を高く評価している可能性もあります。
競合の話が出た時は、
「〇〇社様も検討されているのですね」
と、まず受け止めます。
そのうえで、自社の特徴を客観的に説明することが大切です。
②何を比較しているか確認する
「他社の方が良い」と言われても、その理由はさまざまです。
例えば、
- 価格
- 商品やサービスの内容
- 実績
- サポート体制
- 担当者の対応
- 導入までの期間
などがあります。
そこで、
「特にどの部分を比較されていますか?」
と確認します。
価格を重視しているお客様に機能の多さを説明しても、判断材料にはならないかもしれません。
まず比較軸を知ることで、何を説明すべきかが見えてきます。
③自社の強みだけを話さない
競合と比較された時、
「弊社の強みは〇〇です」
と伝えたくなります。
しかし、その強みがお客様にとって必要でなければ、意味がありません。
例えば、サポート体制が充実していることが自社の強みだったとしても、お客様が価格を最優先しているのであれば、それだけでは決め手にならない可能性があります。
大切なのは、
自社の強みと、お客様が求めているものがどこで重なるか
を考えることです。
「御社が重視されている〇〇については、弊社ではこのような対応ができます」
と伝えることで、お客様にとっての価値として説明できます。
④分からない競合情報を断定しない
お客様から、
「〇〇社はこの機能があるそうですが、御社にはありますか?」
と聞かれることもあります。
競合の商品について詳しく分からない場合は、無理に答える必要はありません。
「〇〇社様の詳細については正確に把握していないため、弊社で対応できる内容についてご説明します」
と伝えれば問題ありません。
営業として避けたいのは、知らない情報を推測で話すことです。
競合について詳しく語ることより、自社について正確な情報を伝えることを優先します。
⑤お客様自身が判断できる状態を作る
競合比較の最終的な目的は、
「自社を選んでもらうこと」
と思われがちです。
もちろん営業なので、契約していただきたい気持ちはあります。
しかし、私が大切にしているのは、
お客様が納得して判断できる状態をつくることです。
例えば、
「価格を最優先される場合は、他社様も含めて比較された方がよいと思います。一方で、〇〇を重視されるのであれば、弊社ではこのようなご支援ができます」
と整理して伝えます。
すべての条件で自社が一番である必要はありません。
お客様が大切にしていることと、自社が提供できる価値が合っているかを一緒に確認することが重要です。
「他社の方が安い」と言われた際の回答例
例えば、
「他社の方が安いのですが」
と言われた場合、
すぐに値引きの話をするのではなく、
「ありがとうございます。価格以外も含めて比較された際に、特に重視されている点を教えていただけますか?」
と確認します。
もし価格が最重要なのであれば、その前提で話を進めます。
一方で、
「導入後のサポートも重視している」
ということであれば、自社のサポート内容も含めて比較していただきます。
価格だけで勝負するのではなく、お客様の判断基準を整理することが大切です。
私が競合比較で意識していること
競合の話が出ると、営業担当としては負けたくないという気持ちが出てきます。
私自身もそうでした。
しかし、お客様からすれば、
「自社にとって一番合うものを選びたい」
だけです。
営業側の勝ち負けは関係ありません。
だからこそ、
競合を否定するのではなく、
自社を必要以上に良く見せるのでもなく、
それぞれの違いを整理する。
そのうえで、
「御社の場合は、ここが弊社を選んでいただくメリットです」
と伝える。
この姿勢の方が、結果としてお客様からの信用にもつながると感じています。
まとめ
競合他社と比較された時は、次の5つを意識してみてください。
- 競合他社を否定しない
- お客様が何を比較しているのか確認する
- 自社の強みだけを一方的に話さない
- 分からない競合情報を断定しない
- お客様が判断できる状態をつくる
競合比較は、自社の優位性をアピールするだけの場ではありません。
お客様が何を大切にしているのかを知るチャンスでもあります。
「他社に勝つにはどうすればいいか」ではなく、
「お客様にとって何が一番合っているのか」
を一緒に考える。
その姿勢が、長く選ばれる営業につながっていくのだと思います。

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