はじめに
営業をしていると、1日に複数のお客様と話すことがあります。
商談直後は、
「内容は全部覚えている」
と思います。
しかし数日後、
「あれ、この話はどのお客様だったかな?」
「予算はいくらと言っていたっけ?」
「次回はいつ連絡する約束だったかな?」
となることがあります。
私も営業を始めた頃は、商談中に聞いたことをとにかくノートへ書いていました。
結果、メモの量は多い。
でも、後から見ても何が重要なのか分からない。
そんな状態になっていました。
営業を10年以上経験して感じるのは、商談メモは会話をすべて記録するためのものではないということです。
大切なのは、
「次の営業活動に必要な情報を残すこと」
です。
今回は、営業初心者が商談後に残しておきたい7つの項目をご紹介します。
① お客様が抱えている課題
最初に残したいのは、
「お客様は何に困っているのか」
です。
例えば人材関連の営業なら、
「採用に困っている」
だけでは少し曖昧です。
もう一段具体的に、
「応募数はあるが20代の応募が少ない」
「営業職を5人採用したいが、現在2人しか採用できていない」
などと残します。
商談から時間が経つと、自社の商品について話した内容は覚えていても、お客様が最初に何を困っていたのかを忘れてしまうことがあります。
提案の出発点になる情報なので、できるだけ具体的に残します。
② お客様が実現したいこと
課題と一緒に確認したいのが、
「最終的にどうなりたいのか」
です。
例えば、
「問い合わせが少ない」
という課題があったとします。
しかし、お客様が求めているのは問い合わせ数を増やすことではなく、
「新規顧客を毎月10社増やしたい」
ことかもしれません。
営業では、
課題=現在困っていること
目的=最終的に実現したいこと
を分けて考えると、提案を作りやすくなります。
商談メモにも、
「課題:〇〇」
「目的:〇〇」
と分けて残しておくと、後から見返しやすくなります。
③ 予算・金額に関する情報
次に残したいのが予算です。
例えば、
「100万円程度なら検討可能」
「今年度予算は残っていない」
「見積書を見てから社内申請」
などです。
単純な金額だけではなく、
予算がどう決まるのか
も残しておきます。
商談時に聞いた予算情報を忘れてしまうと、次回の提案で大きく条件がずれてしまう可能性があります。
逆に、予算がまだ分からなかったのであれば、
「予算:未確認」
と残します。
空欄にするより、
何がまだ分かっていないのかを見えるようにする
ことが大切です。
④ 誰が決めるのか
法人営業では、目の前の担当者が最終決定者とは限りません。
そのため、
- 商談相手
- 実際に商品を使う人
- 上司
- 決裁者
- 社内稟議の流れ
などを分かる範囲で残します。
例えば、
「担当:田中課長」
「最終決裁:営業部長」
「100万円以上は役員決裁」
といった情報です。
まだ分からなければ、
「決裁者:未確認」
と残しておきます。
すると次回商談で、
「今回導入される場合、最終的にはどなたがご判断されますか?」
と確認できます。
⑤ 導入・判断する時期
営業案件を管理するうえで重要なのが、
「いつ決まるのか」
です。
例えば、
「10月の会議で判断」
「来年4月から導入希望」
「今期中だが具体的な時期は未定」
などを残します。
ここが分からないと、
「今すぐ追うべき案件なのか」
「3か月後に確認すればいい案件なのか」
を判断できません。
営業側が希望する契約時期ではなく、
お客様が実際に考えている時期
を記録します。
⑥ お客様が気にしていたこと
商談では、お客様が何度も質問した内容や、反応が変わった瞬間があります。
例えば、
「導入後のサポートについて3回質問された」
「価格より実績を気にしていた」
「他社との違いについて質問された」
といった内容です。
こうした情報は、次回提案を考えるヒントになります。
単に、
「サービス説明実施」
と残すのではなく、
お客様が何に反応したのか
まで残しておく。
これは後から提案資料を作る時にも役立ちます。
⑦ 次にやることと期限
私が商談メモで最も重要だと思うのが、
「次に何をするのか」
です。
例えば、
「9月15日までに見積書を送る」
「お客様が社内確認後、20日に電話する」
「次回商談で導入事例を紹介する」
などです。
商談内容を詳しく記録していても、次の行動が書かれていなければ案件が止まる可能性があります。
そのため、私は商談メモの最後に、
次回アクション:〇〇
期限:〇月〇日
という形で残すことをおすすめします。
「後で連絡する」ではなく、日付まで決めます。
商談メモはいつ書く?
おすすめは、
商談終了後、できるだけ早く整理すること
です。
商談中はキーワードだけメモして、終了後に内容を整理する方法でも構いません。
例えば、
商談中:
「採用5人/20代不足/予算100万/10月判断/部長決裁」
商談後:
「課題:20代営業職の応募が少ない」
「目標:営業職5名採用」
「予算:約100万円」
「決裁者:営業部長」
「判断時期:10月会議」
というように整理します。
商談中にきれいな文章を作ろうとすると、お客様との会話に集中できなくなることがあります。
商談中は聞く。商談後に整理する。
この分け方でも十分だと思います。
私ならこのテンプレートで残す
営業初心者で何を書けばいいか迷う場合は、まず次の形から始めてみてください。
【顧客名】
〇〇株式会社
【商談日】
〇月〇日
【課題】
〇〇
【実現したいこと】
〇〇
【予算】
〇〇円/未確認
【決裁者・決裁方法】
〇〇
【導入・判断時期】
〇月頃
【気になっていたポイント】
〇〇
【次回アクション】
〇〇
【期限】
〇月〇日
最初から完璧なCRMを作る必要はありません。
重要なのは、
次回この案件を見た時、すぐ状況を思い出せること
です。
メモに全部書こうとしない
商談が1時間あれば、たくさんの会話をします。
すべてを書こうとすると、メモも長くなります。
しかし営業で必要なのは、会話の文字起こしではありません。
例えば、
「お客様が週末にゴルフへ行った」
という雑談も、関係構築という意味では役立つことがあります。
一方で案件を進めるためには、
「何に困っているのか」
「誰が決めるのか」
「いつ決めるのか」
「次に何をするのか」
の方が重要です。
だから私は、
「次回の営業に使う情報か?」
という基準で残す内容を考えます。
商談メモは引き継ぎにも役立つ
営業担当は、ずっと同じお客様を担当するとは限りません。
異動や退職、組織変更などで担当者が変わることがあります。
その時、
「田中さんとは仲が良かったです」
だけでは、後任者は困ります。
一方、
「現在〇〇を契約中」
「次年度は△△を検討」
「予算決定は10月」
「決裁者は営業部長」
「過去に価格面で一度失注」
などが残っていれば、後任者も状況を理解できます。
商談メモは、
未来の自分だけではなく、未来の担当者のための情報
でもあります。
私が商談メモで大切だと思うこと
営業を始めた頃の私は、
「たくさんメモする人=仕事ができる人」
のように考えていました。
しかし、大切なのは量ではありません。
1ページびっしり書いていても、
「次に何をするんだっけ?」
となれば営業活動には使いにくいからです。
逆に数行でも、
課題。
予算。
決裁者。
時期。
次回アクション。
が分かれば、次の行動につなげられます。
商談メモは記録ではなく、次の営業を動かすために残すもの。
私はこの考え方が大切だと思っています。
まとめ
営業の商談メモでは、次の7つを残してみてください。
- お客様が抱えている課題
- 実現したいこと
- 予算
- 誰が決めるのか
- 導入・判断時期
- お客様が気にしていたこと
- 次回アクションと期限
商談内容をすべて覚えておく必要はありません。
大切なのは、
次にその案件を見た時、「何をすればいいのか」が分かること。
まず次の商談が終わったら、
「次回アクション」と「期限」
この2つだけでも必ず残してみてください。
それだけでも、商談後の動き方が変わってくると思います。

コメント