はじめに
営業の商談前に、
「今日は何を話そう?」
と考えたことはありませんか?
営業を始めた頃の私は、商談前に商品資料を読み込み、
「このページを説明しよう」
「この機能も紹介しよう」
と準備していました。
しかし、実際に商談が始まると話が予定と違う方向へ進み、時間が足りなくなる。
最後は慌てて、
「では、またご連絡します」
と終わってしまうこともありました。
営業を10年以上経験して感じるのは、商談前に準備したいのは「話す内容」だけではないということです。
今日の商談をどのような順番で進め、どこまで到達したいのか。
これを整理したものがアジェンダです。
今回は、営業初心者でも使いやすい商談アジェンダの作り方を5つの項目に分けてご紹介します。
① 商談の目的を決める
最初に決めたいのは、
「今日の商談が終わった時、どうなっていたいのか」
です。
例えば初回商談なら、
「お客様の現在の課題を確認する」
かもしれません。
2回目の商談なら、
「課題に対する具体的な提案をする」
見積提出後なら、
「社内検討で残っている懸念点を確認する」
という目的もあります。
目的が決まっていないと、
商品説明をして、
質問に答えて、
時間になったので終了。
という商談になりがちです。
まず商談前に、
「今日のゴールは〇〇」
と一文で書いてみます。
これだけでも、商談で何を話すべきか考えやすくなります。
② お客様に確認したいことを決める
次に、
今日、お客様から何を聞きたいのか
を整理します。
例えば初回商談なら、
- 現在抱えている課題
- 課題が発生している理由
- 現在利用しているサービス
- 予算
- 導入希望時期
- 社内の決裁方法
などがあります。
ただし、すべてを一度の商談で聞く必要はありません。
今回の商談で特に確認したいことを3〜5個程度に絞ります。
例えば、
「課題・導入時期・予算」
の3つです。
私は商談前に、
「今日これだけは聞いて帰る」
という項目を決めておくことが大切だと思っています。
質問をたくさん用意することより、案件を進めるために必要な情報を聞くことが重要です。
③ 自分から伝えることを整理する
質問だけでなく、自分から何を伝えるのかも整理します。
例えば、
- 自社サービスの概要
- お客様の課題に合う機能
- 導入事例
- 料金
- 導入までの流れ
などです。
ここで注意したいのが、
資料を全部説明しようとしないこと。
30ページの提案資料があるからといって、30ページすべて説明する必要はありません。
お客様の課題が、
「営業担当者の業務時間を減らしたい」
なのであれば、その課題に関係する部分を中心に説明します。
私は、
「自分が説明したいこと」ではなく、「お客様の判断に必要なこと」
を基準に選ぶようにしています。
④ 時間配分を決める
アジェンダを作る時は、時間も考えます。
例えば60分の初回商談なら、
5分:挨拶・目的確認
20分:お客様へのヒアリング
20分:サービス・事例紹介
10分:質疑応答
5分:次回アクション確認
という形です。
もちろん、実際の商談がこの通りに進むとは限りません。
お客様から重要な話が出れば、ヒアリングが30分になることもあります。
それでも時間配分を考えておけば、
「あと10分しかないのに、まだ商品説明の途中」
という状態に気づけます。
特に営業初心者の場合、
最後の5〜10分を残しておく
ことをおすすめします。
次に何をするのかを確認する時間が必要だからです。
⑤ 最後に「次回アクション」を入れる
私がアジェンダで最も重要だと思うのが最後です。
商談のアジェンダには、
「次回アクションの確認」
を必ず入れます。
例えば、
「次回、具体的な見積もりを提出する」
「追加資料を9月20日までに送る」
「次回は決裁者にも参加していただく」
などです。
商談中に良い話ができても、
「では、また何かありましたら」
で終わると、案件が止まることがあります。
商談の最後に、
「本日のお話を踏まえて、次回は〇〇をご提案させていただいてもよろしいでしょうか?」
と確認します。
アジェンダは「何を話すか」だけではなく、「次にどうつなげるか」まで作る。
ここまで考えておくことが大切です。
初回商談ならこのアジェンダでOK
営業初心者で何を作ればいいか分からない場合は、まず次の形から始めてみてください。
【本日の目的】
お客様の現在の課題を確認し、弊社で支援できる可能性があるか確認する。
【アジェンダ】
- ご挨拶・本日の目的確認
- 現在の状況についてヒアリング
- 弊社サービスのご紹介
- 質疑応答
- 今後の進め方について確認
これだけでも十分です。
重要なのは、きれいなアジェンダ資料を作ることではありません。
商談の目的と流れを自分自身が理解していること
です。
商談冒頭でお客様にも共有する
作ったアジェンダは、自分だけで持っていても構いません。
ただ、私は商談の冒頭で簡単に共有することをおすすめします。
例えば、
「本日は60分ほどお時間をいただいておりますので、最初に現在の状況をお聞きし、その後弊社からご提案内容をご説明できればと思っています。最後に今後の進め方について確認させていただければと思いますが、よろしいでしょうか?」
という形です。
さらに、
「本日、特に確認したいことはございますか?」
と聞きます。
すると、
「実は料金を一番聞きたいです」
「導入事例を知りたいです」
など、お客様が今日知りたいことが分かる場合があります。
営業側が作ったアジェンダを押しつけるのではなく、
お客様と今日の商談の進め方を合わせる。
この感覚が大切です。
アジェンダ通りに進まなくても問題ない
アジェンダを作ると、
「絶対にこの順番で進めなければ」
と思うかもしれません。
しかし、商談はお客様との会話です。
例えばサービス説明をする予定だったとしても、お客様から、
「実は来月から組織が大きく変わるんです」
という重要な話が出るかもしれません。
その場合は、予定していた説明を短くしてでも詳しく聞いた方がよい場合があります。
アジェンダは台本ではありません。
迷子になった時に戻るための地図
くらいに考えてみてください。
予定と違う方向へ進んでも、
「今日の目的は何だったか」
に戻れれば問題ありません。
商談後はアジェンダと結果を比較する
商談が終わったら、
「予定していたことができたか」
を簡単に振り返ります。
例えば、
目的:課題を確認する
→確認できた
予算:確認予定
→聞けなかった
導入時期:確認予定
→10月と確認
次回アクション:見積提出
→9月20日までに提出
という形です。
すると、
「次回、予算を確認する必要がある」
ことが分かります。
そして、この内容を商談メモに残します。
商談前はアジェンダ。
商談後はメモ。
この2つをセットにすると、営業活動を管理しやすくなります。
私が商談アジェンダで大切だと思うこと
営業を始めた頃の私は、
「商談準備=商品について勉強すること」
だと思っていました。
もちろん商品知識は必要です。
しかし、商品を詳しく知っていても、
「今日は何を確認するのか」
「どこまで話を進めるのか」
が決まっていなければ、商談がまとまらないことがあります。
だから私は商談前に、
今日のゴールは何か。
何を聞くのか。
何を伝えるのか。
次に何をするのか。
この4つを考えるようにしています。
アジェンダは立派な資料である必要はありません。
ノートに5行書くだけでも構いません。
大切なのは、
商談が始まる前に、商談の終わり方まで考えておくこと。
これがアジェンダを作る意味だと思っています。
まとめ
営業の商談アジェンダを作る時は、次の5つを考えてみてください。
- 商談の目的を決める
- お客様に確認したいことを決める
- 自分から伝えることを整理する
- 時間配分を決める
- 次回アクションを入れる
商談アジェンダは、難しく考える必要はありません。
次の商談前に、
「今日のゴールは何か?」
を一つ決める。
そして、
「商談が終わった時、次に何をする状態にしたいか?」
まで考えてみてください。
それだけでも、商談の進め方はかなり整理しやすくなると思います。

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