はじめに
新規営業を始める時、
「まず営業リストを作って」
と言われることがあります。
営業を始めた頃の私は、とにかく会社名を集めることが営業リスト作りだと思っていました。
100社より500社。
500社より1,000社。
リストが多いほど営業先が増えるので、成果も出やすくなるような気がします。
しかし、営業を10年以上経験して感じるのは、
営業リストは会社を集める作業ではなく、営業する会社を選ぶ作業
だということです。
自社の商品を必要としていない500社へ営業するより、課題を抱えている可能性が高い50社へ営業した方が成果につながることもあります。
今回は、新規開拓の営業リストを作る時に意識したい5つのポイントをご紹介します。
① まず「どんな会社に売れやすいか」を考える
いきなり企業を検索する前に、
「自社の商品は、どんな会社に必要とされやすいのか?」
を考えます。
例えば、
- 業界
- 会社規模
- 従業員数
- 売上規模
- 地域
- 店舗数
- 抱えている課題
などです。
特に参考になるのが、
すでに契約しているお客様
です。
例えば、現在の顧客を見た時に、
「従業員100〜300人の企業が多い」
「福岡県内の企業が多い」
「新卒採用に力を入れている会社が多い」
など、共通点が見つかることがあります。
それを営業先を選ぶ一つの基準にします。
営業リストを作る前に、
「誰に売るのか」を決める。
ここが最初のポイントです。
② 会社情報だけでなく「変化」を探す
営業リストを作る時、
会社名・業界・従業員数などの基本情報だけを見てしまいがちです。
もちろん必要な情報ですが、私はもう一つ、
「最近、その会社に何か変化がないか」
を見ることが大切だと思っています。
例えば、
- 新店舗を出した
- 新しい事業を始めた
- 採用を強化している
- 拠点を増やした
- 新商品を発表した
- 組織変更があった
などです。
会社に変化が起きると、新しい課題が生まれることがあります。
例えば採用を急拡大している企業であれば、人材関連サービスが必要になる可能性があります。
新店舗を増やしている企業なら、広告や集客に課題を抱えているかもしれません。
単に、
「この業界だから営業する」
だけではなく、
「今、この会社に営業する理由があるか?」
まで考えると、リストの質が変わります。
③ 過去の商談・失注企業もリストに入れる
営業リストというと、まだ一度も接点のない会社だけを想像するかもしれません。
しかし、過去の営業履歴も確認してみます。
例えば、
「1年前に商談したが、予算がなくて失注」
「半年前に問い合わせがあった」
「以前契約していた」
という企業です。
一度商談した会社であれば、
- どんな課題があったのか
- 誰と話したのか
- なぜ契約にならなかったのか
などの情報が残っている可能性があります。
例えば、
「今年度は予算がないので、来年度に検討します」
と言われていたのであれば、次年度予算を考える時期に再アプローチできます。
営業リストを作る時は、
新しい会社を探すだけでなく、過去の接点も掘り起こす。
これも有効な方法です。
④ リストに優先順位をつける
100社の営業リストができたとします。
では、1番上から順番に100社へ電話すればよいのでしょうか。
私はそうは考えません。
例えば、
A:優先度が高い
自社の顧客と特徴が似ており、最近何らかの変化もある。
B:可能性がある
ターゲット条件には合うが、具体的な課題までは分からない。
C:情報不足
会社としては存在するが、自社商品との相性がまだ分からない。
というように分けます。
そして、まずAから営業します。
営業リストが1,000社あっても、すべて同じ優先順位なら、
「どこから営業すればいいのか」
が分かりません。
営業リストには、
会社名だけではなく「なぜこの会社に営業するのか」
も残しておくことをおすすめします。
⑤ アプローチした結果をリストに戻す
営業リストは、一度作ったら完成ではありません。
実際に営業すると、
「担当者につながらなかった」
「現在は必要ないと言われた」
「半年後に検討予定」
「商談につながった」
など、さまざまな結果が出ます。
その情報をリストへ戻します。
例えば、
【A社】
9月10日:電話
→担当者不在
→9月12日に再連絡
【B社】
9月10日:メール
→現在検討予定なし
→来年1月に再確認
【C社】
9月11日:電話
→商談設定
→9月18日オンライン商談
という形です。
これを残しておかないと、数か月後に同じ会社へ、
「初めまして」
と営業してしまう可能性もあります。
営業リストは、
営業する会社の一覧ではなく、営業活動の履歴でもある
と考えてみてください。
営業リストには何を入れる?
営業初心者であれば、最初から複雑な管理表を作る必要はありません。
例えば、次の項目から始めます。
- 会社名
- 業界
- 所在地
- 会社規模
- 担当部署
- 担当者
- 連絡先
- 営業する理由
- 優先度
- 最終アプローチ日
- アプローチ結果
- 次回アクション
- 次回連絡日
特に私が重要だと思うのは、
「営業する理由」と「次回アクション」
です。
会社名と電話番号だけのリストでは、
「なぜこの会社に電話するのか」
が分かりません。
また、営業した後に次回アクションが残っていなければ、せっかく得た情報が活用できません。
100社集めてから営業しなくてもいい
営業リストを作り始めると、
「まず100社完成させてから電話しよう」
と思うことがあります。
しかし、私は最初から完璧なリストを作る必要はないと思っています。
例えば、
20社リストアップする。
↓
営業する。
↓
反応を見る。
↓
どんな会社の反応が良かったか確認する。
↓
次の20社を探す。
という方法もあります。
実際に営業してみると、
「この業界は反応が良い」
「この規模の会社には課題が少ない」
など、最初には分からなかったことが見えてきます。
つまり、
営業リストそのものも営業しながら改善する
という考え方です。
「とりあえず電話する会社」を集めない
営業リスト作りで注意したいのが、
リスト件数を増やすことが目的になることです。
例えば上司から、
「100社リストアップして」
と言われる。
すると、
「あと30社足りない」
となり、条件に合わない会社まで追加したくなります。
しかし、本来の目的は100社集めることではありません。
営業する価値がある会社を見つけることです。
私は営業リストを見る時、
「この会社に電話する理由を説明できるか?」
を一つの基準にしています。
説明できなければ、なぜ営業するのかをもう一度考えてみます。
営業リストを作った後に確認したい数字
営業を始めたら、リストの成果も確認します。
例えば、
100社へアプローチ
↓
担当者接続30社
↓
アポ10社
↓
商談10社
↓
提案5社
↓
契約2社
だったとします。
ここまで分かれば、
「100社営業すると約10件商談になる」
といった自分なりの数字が見えてきます。
また、業界別に見ると、
「A業界はアポ率が高い」
「B業界は商談にはなるが契約率が低い」
などの違いが見つかるかもしれません。
すると次回から、
成果につながりやすい企業を優先してリスト化する
ことができます。
営業リストは作って終わりではありません。
営業結果を使って、少しずつ精度を上げていきます。
私が営業リスト作りで大切だと思うこと
営業を始めた頃の私は、
「営業は数をこなすもの」
と思っていました。
もちろん、新規営業では一定の行動量が必要です。
10社より100社へ営業した方が、商談のチャンスが増える場合もあります。
しかし、
「誰でもいいから100社」
と、
「必要としてくれそうな100社」
では意味が違います。
営業リストは、
電話番号を並べた表ではなく、自分が営業すべき相手を考えた結果
だと思っています。
だからこそ、
「何社集めたか」
だけではなく、
「なぜその会社を選んだのか」
まで考える。
これが営業リストを作る時に大切なことだと思います。
まとめ
新規開拓の営業リストを作る時は、次の5つを意識してみてください。
- どんな会社に売れやすいかを考える
- 企業の「変化」を探す
- 過去の商談・失注企業も確認する
- リストに優先順位をつける
- 営業した結果をリストに戻す
営業リストは、多ければ良いわけではありません。
重要なのは、
「なぜこの会社に営業するのか」が分かるリストを作ること。
まずは既存顧客を5社見て、
「この5社に共通している特徴は何だろう?」
と考えてみてください。
そこから、次に営業すべき会社が見つかるかもしれません。

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