営業で値上げを伝える方法|価格改定で意識したい5つのポイント | 〜営業初心者に向けた教科書〜

営業で値上げを伝える方法|価格改定で意識したい5つのポイント

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はじめに

営業をしていると、お客様へ言いにくいことを伝えなければならない場面があります。

その一つが、

「値上げ」です。

これまで月10万円で提供していたサービスを、次回から12万円に変更する。

長く取引しているお客様ほど、

「怒られないだろうか」

「解約されたらどうしよう」

と不安になるかもしれません。

私自身も、営業を続ける中で金額に関する話は何度も経験してきました。

値引きならお客様に喜んでいただけます。

一方、値上げはそうはいきません。

だからこそ大切なのは、

「値上げを納得してもらう話術」ではなく、「お客様が判断できる材料をきちんと伝えること」

だと思っています。

今回は、お客様へ価格改定を伝える時に営業が意識したい5つのポイントをご紹介します。

① できるだけ早く伝える

価格改定が決まったら、まず意識したいのが伝えるタイミングです。

例えば契約更新の1週間前に突然、

「来月から20%値上げします」

と言われたらどうでしょうか。

お客様側も困ります。

法人営業では、

  • 予算の再調整
  • 上司への説明
  • 社内稟議
  • 他社との比較
  • 契約内容の確認

などが必要になる場合があります。

そのため、

営業側の都合ではなく、お客様が検討するために必要な時間を考える

ことが大切です。

価格改定が決まっているのに、

「言いにくいから、もう少し後で伝えよう」

と先延ばしにすると、お客様が判断できる時間を奪ってしまいます。

早く伝えることは、単に営業側が楽になるためではありません。

お客様が社内で準備する時間を作ること

でもあります。

② 「値上げします」だけで終わらせない

価格改定を伝える時は、

「来年度から料金が上がります」

だけでは十分ではありません。

お客様が知りたいのは、

「なぜ価格が変わるのか?」

です。

例えば、

  • 原材料や仕入れ価格の上昇
  • 人件費や運営コストの変化
  • サービス内容の拡充
  • サポート体制の強化
  • 商品仕様の変更

など、価格改定には何らかの背景があるはずです。

営業担当者は、その理由を自分の言葉で説明できるようにしておきます。

ここで注意したいのが、

必要以上に言い訳をしないことです。

「会社が決めたので……」

「私も本当は上げたくないんですけど……」

という説明では、お客様からすると判断材料になりません。

会社として価格を変更するのであれば、

何が変わり、なぜその金額になるのか。

これを整理して伝えることが営業の役割だと思います。

③ これまで提供してきた価値を整理する

価格改定の話になると、どうしても、

10万円→12万円

という「2万円上がること」に目が向きます。

もちろん金額は重要です。

しかし、お客様が契約を続けるか判断する時に考えるのは、価格だけではありません。

例えば、

「このサービスによって業務時間が月20時間削減できた」

「問い合わせ数が増えた」

「採用人数が増えた」

「担当者の負担が減った」

など、これまでの契約によって得られた価値もあります。

そこで価格改定のタイミングでは、

これまで何を提供できていたのか

を一度整理します。

ただし、

「これだけ成果を出したのだから値上げを受け入れてください」

と押しつける必要はありません。

お客様が、

「新しい価格でも契約を続ける価値があるか」

を判断できる材料として提示します。

価格改定は、金額だけではなく、

契約そのものの価値をお客様と確認する機会

でもあると思います。

④ お客様の反応を最後まで聞く

価格改定を伝えると、

「それは厳しいですね」

「予算的に難しいです」

「他社も検討しないといけません」

と言われることがあります。

営業としては、

「そこを何とかお願いします」

とすぐに説得したくなるかもしれません。

しかし、まず確認したいのは、

何が問題なのか

です。

例えば、

「金額が上がること自体が難しい」

のか、

「今年度の予算では対応できない」

のか、

「値上げ幅に納得できない」

のか、

「サービスの価値を感じられていない」

のか。

同じ、

「厳しいです」

でも理由は違います。

そこで、

「承知しました。特にどの部分が難しいと感じられていますか?」

と聞いてみます。

理由が分からなければ、営業側も次に何をすればよいか判断できません。

反論する前に、何に困っているのかを聞く。

これは価格改定でも大切です。

⑤ 値下げ以外の選択肢も考える

お客様から、

「今の予算では難しい」

と言われると、

「では、少し値下げします」

と答えたくなることがあります。

しかし、すぐに価格を戻してしまえば、

「最初の値上げは何だったのか?」

と思われる可能性もあります。

そこで、値下げ以外に調整できるものがないか考えます。

例えば、

  • 契約内容を見直す
  • 利用範囲を変更する
  • プランを変更する
  • 導入時期を調整する
  • 必要なサービスだけに絞る

などです。

もちろん、商品や会社のルールによってできることは違います。

営業担当者が勝手に条件を変更してはいけません。

そのうえで、

「価格を下げる」以外にも、お客様が続けられる方法はないか

を社内と相談します。

価格改定を伝えることと、契約を一方的に押しつけることは違います。

お客様の状況を聞きながら、双方が続けられる形を探します。

値上げはメールだけで伝えてもいい?

商品や取引内容によりますが、重要な顧客や金額の大きい契約であれば、私は可能な限り会話できる場を作った方がよいと思います。

メールだけでは、

「なぜ値上げするのか」

「自分たちの契約はどうなるのか」

という疑問にその場で答えられないからです。

例えば、

「次回契約より価格体系が変更となるため、一度ご説明のお時間をいただけますでしょうか」

と連絡します。

そのうえで商談やオンライン会議で説明し、正式な価格改定資料を送ります。

もちろん、多数の顧客へ一律で価格改定を案内するサービスなど、個別説明が難しいケースもあります。

重要なのは、

お客様が必要な情報を確認できる状態を作ること

です。

値上げを伝える時の会話例

例えば、年間120万円の契約を150万円へ変更する場合です。

「本日は、次年度のご契約について一点ご説明があります。

次回更新より、年間契約金額を現在の120万円から150万円へ改定させていただく予定です。

今回の改定については、〇〇の変更と△△の強化が背景にあります。

突然金額だけをお伝えするのではなく、これまでのご利用状況も含めてご説明したいと思い、本日お時間をいただきました。

まず、現在のご利用状況についても改めて確認させていただけますでしょうか」

という形です。

重要なのは、例文をそのまま暗記することではありません。

新価格・開始時期・理由・現在の契約への影響

を自分で説明できるようにしておきます。

「高すぎる」と言われたら?

価格改定後、

「さすがに高すぎます」

と言われることもあります。

この時も、すぐに値下げ交渉へ進む必要はありません。

例えば、

「率直なご意見ありがとうございます。現在のご予算からすると難しいということでしょうか。それとも、今回の改定幅についてでしょうか?」

と確認します。

すると、

「予算がすでに決まっている」

「値上げする理由が分からない」

「他社と比較すると高い」

など、具体的な理由が分かるかもしれません。

理由が分かれば、

予算なら契約内容を検討する。

価値なら成果やサービス内容を説明する。

他社比較なら違いを整理する。

と、対応を考えられます。

「高い」は結論ではなく、その理由を知る入口。

そう考えると次の質問がしやすくなります。

価格改定前に営業が確認しておきたいこと

お客様へ伝える前に、最低限次の項目は確認しておきたいところです。

  • 新しい価格
  • 価格改定日
  • 対象となる契約
  • 改定理由
  • 現契約への影響
  • 既存顧客への経過措置の有無
  • 営業判断で変更できる範囲
  • お客様から想定される質問
  • 社内の問い合わせ先
  • 契約更新までのスケジュール

特に、

「自分の判断でどこまで対応してよいのか」

は事前に確認します。

その場で回答できない質問が出た場合は、

「確認して〇日までに回答します」

と伝えれば問題ありません。

分からないことを、その場で何となく答える方が危険です。

値上げ後のフォローも忘れない

価格改定に同意していただいたら、それで終わりではありません。

価格が上がった分、お客様は以前より、

「この契約を続ける価値があるか」

を見るかもしれません。

そのため、

「その後、ご利用状況はいかがでしょうか?」

「何か改善してほしい部分はありませんか?」

と確認します。

特に契約更新後は、

値上げを受け入れていただいた後こそ、営業の対応が見られている

と考えた方がよいと思います。

価格改定を契約更新のゴールにせず、その後の関係まで見ていきます。

私が価格改定で大切だと思うこと

値上げを伝える時、

「どう言えば怒られないか」

を考えたくなります。

しかし、どれだけ丁寧に説明しても、お客様にとって負担が増えることに変わりはありません。

不満を持たれることもあるでしょう。

だから私は、

「嫌われない伝え方」を探すより、「判断に必要なことを誠実に伝える」

ことが大切だと思っています。

早めに伝える。

理由を説明する。

これまでの価値を整理する。

相手の事情を聞く。

できることと、できないことを明確にする。

値上げを喜んでいただくことは難しくても、

「なぜ変わるのかは分かった」

と思っていただくことは目指せます。

価格改定は、営業にとって言いにくい話です。

だからこそ、曖昧にせず、逃げずに説明する。

それが長く取引を続けるうえで大切だと思っています。

まとめ

営業がお客様へ値上げを伝える時は、次の5つを意識してみてください。

  • できるだけ早く伝える
  • 値上げ理由を説明する
  • これまで提供してきた価値を整理する
  • お客様の反応を最後まで聞く
  • 値下げ以外の選択肢も考える

価格改定で重要なのは、

「どうすれば値上げを受け入れてもらえるか」だけを考えないこと。

お客様が新しい条件を判断できる情報を準備し、検討する時間を作ることが大切です。

まず価格改定を伝える前に、

「なぜ上がるのか?」
「いつからなのか?」
「お客様の契約に何が変わるのか?」

この3つを、自分の言葉で説明できるか確認してみてください。

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