はじめに
お客様との商談を終えて、見積書を提出する。
ここまで進むと、
「契約まであと少し」
と期待したくなります。
しかし、見積書を送った後に、
お客様から連絡が来ない。
営業をしていると、こうした場面は珍しくありません。
私も営業を始めた頃は、
「こちらから連絡すると急かしているように思われないかな」
と考えて、しばらく待ってしまうことがありました。
反対に、数字が厳しい時には、
「見積もりどうでしたか?」
と何度も確認したくなることもありました。
営業を10年以上経験して感じるのは、見積書を提出した後は、
「返事を待つ」のではなく、「お客様が判断できる状態を作る」
ことが大切だということです。
今回は、見積書を提出した後の営業フォローで意識したい5つのポイントをご紹介します。
① 見積書を出す時に「次の連絡日」を決める
見積書提出後のフォローは、提出した後ではなく、提出する時から始まっています。
例えば、
「見積書をお送りしますので、ご確認ください。また来週ご連絡します」
だけでは、少し曖昧です。
できれば、
「本日見積書をお送りします。社内でご確認いただき、来週水曜日頃に一度状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
と確認します。
これなら、翌週に連絡しても突然の催促にはなりません。
お客様も、
「水曜日に確認の連絡が来る」
と分かっています。
見積書を送った後に、
「いつ連絡しよう?」と営業側だけで悩む状態を作らないこと。
これが最初のポイントです。
② 「見積もりどうでしたか?」だけで連絡しない
見積書を提出した後、
「先日のお見積もり、ご確認いただけましたでしょうか?」
と連絡することがあります。
もちろん、確認自体が悪いわけではありません。
ただ、毎回これだけでは、お客様にとっては催促に感じられるかもしれません。
そこで私は、
「判断するうえで困っていることはないか」
を確認する方が大切だと思っています。
例えば、
「先日お送りした見積書について、社内でご検討いただく中で分かりにくい点や追加で必要な情報はございませんか?」
という聞き方です。
すると、
「金額の内訳を詳しく知りたい」
「上司に説明する資料が欲しい」
「他のプランも比較したい」
など、案件を進めるために必要な情報が分かることがあります。
フォローの目的を、
返事をもらうことから、判断を進めることへ変える。
これだけでも連絡の内容が変わります。
③ お客様の社内で何が起きているか確認する
法人営業では、見積書を提出した相手が一人で契約を決めるとは限りません。
担当者から上司へ。
上司から部長へ。
さらに社内稟議へ。
というように、見積書を提出してから社内で検討が進むことがあります。
そのため、
「ご検討状況はいかがでしょうか?」
だけではなく、
「現在、社内ではどの段階まで進んでいますか?」
と確認してみます。
例えば、
「担当者としては進めたいが、部長への説明がまだできていない」
という状況が分かったとします。
その場合、営業側ができることは、
「早く決めてください」
とお願いすることではありません。
部長へ説明しやすい資料を用意すること
かもしれません。
見積書提出後に案件が止まっている時は、
お客様が断ろうとしているとは限りません。
単純に社内で止まっている場合もあります。
④ 「いつ決まりますか?」ではなく判断時期を確認する
営業としては、
「いつ契約してもらえるのか」
が気になります。
しかし、
「いつ決まりますか?」
と何度も聞かれると、お客様にもプレッシャーがかかります。
そこで、
「社内では、いつ頃までに方向性を決める予定でしょうか?」
と確認します。
例えば、
「来月10日の会議で決めます」
と分かれば、それまでは必要以上に追う必要がありません。
反対に、
「特に決まっていません」
という回答であれば、
「では、今月末頃に一度状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
と次の連絡日を決めます。
営業案件が止まる原因の一つは、
次にいつ動くのかが決まっていないこと
だと思います。
契約日を無理に決める必要はありません。
まず、次に確認する日を決めておきます。
⑤ 追い続けない判断もする
見積書を出した案件は、どうしても受注したくなります。
時間をかけて商談し、提案資料を作り、見積書まで作成したからです。
しかし、
- 何度連絡しても返信がない
- 導入時期が決まっていない
- 予算が確保できていない
- 社内で検討が進んでいない
という状態が続くこともあります。
その案件だけを毎週追い続けていると、他のお客様への営業活動に使える時間が減ってしまいます。
例えば、
「現時点では検討時期が未定とのことでしたので、いったんこちらからのご連絡は控えます。また〇月頃に状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
と区切る方法もあります。
これは案件を諦めることとは違います。
「今追う案件」から「将来確認する案件」へ移す
という考え方です。
見積書提出後のフォローメール例
例えば、見積書を提出して数日後に連絡するなら、私は次のような内容を意識します。
「先日はお時間をいただき、ありがとうございました。
先日お送りしたお見積書について、その後ご不明な点などございませんでしょうか。
社内でご検討いただくにあたり、追加で必要な資料や情報がございましたら準備いたします。
以前、〇日頃にご検討予定と伺っておりましたので、またその頃に一度状況をお伺いできればと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。」
ポイントは、
「契約しますか?」と聞くだけのメールにしないこと
です。
お客様が判断するために必要なものがないか確認します。
返信がない場合は何日後に連絡する?
これは案件によって変わるため、
「必ず3日後」
「1週間後」
と決める必要はないと思います。
重要なのは、見積書を提出する前に、
お客様がいつ検討するのかを確認しておくこと
です。
例えば、
「来週の社内会議で検討します」
と聞いているなら、会議前に何度も確認する必要はありません。
一方、
「今週中に確認します」
と言われていたのに翌週になっても連絡がなければ、一度状況を確認してもよいでしょう。
つまり、
見積書を送ってから何日経ったかではなく、お客様の検討スケジュールを見る。
この考え方の方が、フォローのタイミングを判断しやすくなります。
見積書を出す前に確認したい5つのこと
実は、見積書提出後に案件が止まる原因は、その前の商談にあることもあります。
最低限、次の5つを確認してみてください。
- なぜ見積もりが必要なのか
- 予算感はどのくらいか
- 誰が最終的に判断するのか
- いつ頃判断する予定なのか
- 見積書提出後、次に何をするのか
例えば、
「とりあえず見積もりをください」
と言われて、目的や時期を確認せず提出すると、その後どう動けばいいのか分からなくなります。
見積書を作ること自体が営業のゴールではありません。
その見積書が、お客様のどの判断に使われるのか。
ここまで確認できると、その後のフォローもしやすくなります。
私が見積書提出後に大切だと思うこと
営業を始めた頃は、
見積書を出したら、
「後はお客様が判断するもの」
と思っていました。
もちろん、最終的に判断するのはお客様です。
しかし、営業側にもできることがあります。
分かりにくいところを説明する。
社内説明用の情報を用意する。
決裁までの流れを確認する。
必要であれば条件を調整する。
そして、次にいつ確認するのかを決める。
大切なのは、
契約を急かすことではなく、お客様が判断しやすい状態を作ること。
見積書を提出して終わりではありません。
むしろ、そこから契約までどう進めるかが営業として重要だと思います。
まとめ
見積書を提出した後の営業フォローでは、次の5つを意識してみてください。
- 見積書提出時に次の連絡日を決める
- 「どうでしたか?」だけで連絡しない
- お客様の社内で何が起きているか確認する
- 判断時期を確認する
- 追い続けない案件も決める
見積書を送った後に連絡がないと、
「断られたのかな」
と不安になることがあります。
しかし、社内確認に時間がかかっているだけかもしれません。
だからこそ、
「返事はまだですか?」ではなく、「判断するために必要なものはありますか?」
という姿勢でフォローする。
まずは次に見積書を提出する時、
「いつ頃ご確認いただけそうでしょうか?」
そして、
「では〇日頃に一度ご連絡してもよろしいでしょうか?」
この2つを確認するところから始めてみてください。

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