はじめに
営業をしていると、断られることは避けられません。
一生懸命準備した提案を断られたり、手応えがあった商談が失注したりすると、気持ちが落ち込むこともあります。
私自身、営業を始めた頃は、一度断られると長く引きずっていました。
「提案の仕方が悪かったのではないか」
「営業に向いていないのではないか」
そんなことを考え、次の商談にも自信を持って臨めない時期がありました。
しかし、10年以上営業を続ける中で分かったことがあります。
営業で断られることと、自分自身を否定されることは別です。
今回は、営業で断られた時に気持ちを切り替えるための考え方をご紹介します。
①断られた理由は自分自身ではない
営業で断られると、
「自分の能力が低いからだ」
と考えてしまうことがあります。
しかし、お客様が断る理由はさまざまです。
例えば、
- 今は予算がない
- 導入する時期ではない
- 社内の優先順位が変わった
- 他社の商品を利用している
- 決裁者の承認が得られなかった
営業担当だけでは変えられない事情も少なくありません。
断られた事実と、自分の価値を切り離して考えることが大切です。
②感情と事実をわけて整理する
断られた直後は、
「すべてがうまくいかなかった」
と感じてしまうことがあります。
しかし、商談を振り返ると、良かった部分もあるはずです。
例えば、
- お客様の課題を聞くことができた
- 提案内容には興味を持っていただけた
- 次回につながる情報を得られた
- 別の担当者を紹介していただけた
まずは感情と事実を分けて整理します。
「悔しい」という感情は認めつつ、実際に何が起きたのかを冷静に確認することで、必要以上に自分を責めずに済みます。
③改善点は1つに絞る
失注すると、
「あれも悪かった」
「これも足りなかった」
と、すべてを反省したくなります。
しかし、一度に多くのことを直そうとすると、次の商談で何を意識すればよいのか分からなくなります。
私は振り返る際、
次回改善することを一つだけ決める
ようにしています。
例えば、
- 質問を一つ増やす
- 提案前に予算を確認する
- 決裁者を早めに把握する
- 商談後の連絡を早くする
改善点を具体的な行動に変えることで、失敗が次の経験に変わります。
④断られることも営業活動の1つ
すべての商談が契約につながる営業はいません。
どれだけ経験を積んでも、断られることはあります。
営業初心者の頃は、
「断られない営業になりたい」
と思っていました。
しかし今は、
「断られながら成果に近づいていくのが営業」
だと考えています。
例えば10件提案して2件契約になるのであれば、8件の断りも成果を出すために必要な過程です。
断られた回数だけを見るのではなく、営業活動全体の中で捉えることが大切です。お客様の決断を後押しする観点なら、「断られる」こともクロージングの1つです。
⑤断られた直後に次の行動を決める
気持ちが落ち込んだ時ほど、立ち止まり続けると引きずりやすくなります。
そのため私は、断られた後に小さな行動を一つ決めるようにしています。
例えば、
- 商談内容をメモに残す
- 上司や同僚に相談する
- お客様にお礼のメールを送る
- 次の訪問準備を始める
- 新しいお客様へ連絡する
大きなことをする必要はありません。
次の行動を始めることで、気持ちも少しずつ前へ向いていきます。
⑥信頼できる人に話す
失注を一人で抱え込むと、
必要以上に深刻に考えてしまうことがあります。
そんな時は、上司や同僚に話してみることも大切です。
自分では大きな失敗だと思っていても、
経験のある人から見ると、
「それはよくあることだよ」
と言われることがあります。
また、自分では気づかなかった改善点を教えてもらえる場合もあります。
相談することは、弱さではありません。
早く立ち直り、次の成果につなげるための営業行動です。
⑦ご縁が終わったと決めつけない
今回契約にならなかったからといって、
今後も契約にならないとは限りません。
予算や時期が変われば、後から相談をいただくこともあります。
私自身も、一度断られたお客様から数か月後や数年後にご連絡をいただき、契約につながった経験があります。
そのため、断られた時も感謝を伝え、良い関係で商談を終えることを大切にしています。
「今回は契約にならなかった」
というだけであり、
「今後の可能性がなくなった」
とは限りません。
営業で落ち込むことは悪いことではない
断られて落ち込むのは、
それだけ真剣に仕事へ向き合っていた証拠でもあります。
悔しい気持ちを、無理に消す必要はありません。
ただし、その気持ちのまま自分を否定し続ける必要もありません。
大切なのは、
- 何が起きたのか
- 何を学べるのか
- 次に何を変えるのか
を整理し、少しずつ次へ進むことです。
営業に必要なのは、落ち込まない強さではありません。
落ち込んでも戻ってこられる力だと思っています。
私が断られた時に意識していること
私も今でも、力を入れていた案件を失注すると悔しくなります。
ただ、以前と比べて引きずる時間は短くなりました。
それは、
「今回の失注から何を持ち帰るか」
を考えられるようになったからです。
契約にはつながらなくても、
お客様の反応や質問の中には、次の提案に生かせるヒントがあります。
失注をゼロにすることはできません。
しかし、失注を無駄にしないことはできます。
この考え方が、長く営業を続けるうえで自分を支えてくれました。
まとめ
営業で断られた時に気持ちを切り替えるためには、次の7つが大切です。
- 断られた理由を自分自身と結びつけない
- 感情と事実を分ける
- 改善点を一つに絞る
- 断られることを営業活動の一部と考える
- 次の行動を決める
- 信頼できる人に相談する
- 今後のご縁まで終わったと決めつけない
営業をしていれば、断られる日は必ずあります。
大切なのは、一度も落ち込まないことではありません。
落ち込んだ後に学びを見つけ、もう一度お客様と向き合うことです。
一つの失注で、営業としての価値が決まるわけではありません。
今日の経験を次の商談に生かせれば、その失注にも意味が生まれるのだと思います。

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