はじめに
新規営業をする時、
「新しいお客様を探さないと」
と考えることは多いと思います。
しかし、営業先はまだ取引したことのない会社だけではありません。
例えば、
以前は取引していたけれど、現在は取引がないお客様。
過去に商談したものの、契約には至らなかったお客様。
「今はタイミングではない」と言われ、そのままになっているお客様。
こうした「休眠顧客」も営業先の候補になります。
私も営業を経験する中で、
「以前断られたから、もう営業しない方がいい」
と考えていたことがありました。
しかし、お客様の状況は変わります。
担当者が変わる。
予算がつく。
新しい課題が生まれる。
会社の方針が変わる。
以前は必要なかった商品が、1年後には必要になることもあります。
だからこそ、
一度商談が終わった=ずっと営業できない
とは限りません。
今回は、休眠顧客へ再アプローチする時に意識したい5つのポイントをご紹介します。
① なぜ取引が止まったのか確認する
休眠顧客へ連絡する前に、まず過去の記録を確認します。
例えば、
- 価格が合わなかった
- 競合他社に決まった
- 予算が取れなかった
- 導入時期が合わなかった
- 担当者が異動した
- お客様の課題がなくなった
など、取引が止まった理由はさまざまです。
ここを確認せずに、
「お久しぶりです。また弊社の商品はいかがですか?」
と連絡しても、以前と同じ結果になる可能性があります。
例えば、前回、
「今年度は予算がありません」
と言われていたのであれば、
次年度の予算を検討する時期に連絡する。
「現在のサービスに満足しています」
と言われていたのであれば、その後状況が変わっていないか確認する。
前回なぜ進まなかったのかを知ることで、今回連絡する理由が見えてきます。
② 「その後どうですか?」から始める
久しぶりのお客様に連絡する時、
いきなり商品を提案する必要はありません。
まずは、
「以前〇〇についてお話しさせていただきましたが、その後状況はいかがでしょうか?」
と確認します。
例えば、
「以前は採用人数を増やす予定はないと伺っていましたが、その後採用状況はいかがでしょうか?」
「以前〇〇をご検討いただいた際は時期が合いませんでしたが、その後状況に変化はございますか?」
という聞き方です。
大切なのは、
前回の商談を無かったことにしないこと。
過去に話した内容を踏まえて連絡すれば、
「以前の話を覚えているんだな」
と感じていただける可能性があります。
③ 再連絡する「理由」を作る
休眠顧客への営業で避けたいのが、
営業側の都合だけで連絡することです。
例えば、
「今月の数字が足りないから連絡しました」
とはもちろん言えません。
お客様からすると、
「なぜ今?」
となります。
そこで、再アプローチする理由を考えます。
例えば、
- 新しいサービスが始まった
- 前回より提案できる内容が増えた
- お客様の会社に変化があった
- 業界環境が変わった
- 過去に話していた検討時期になった
などです。
「以前〇〇についてご相談いただいていましたが、新しく△△という対応ができるようになったため、一度情報共有できればと思いご連絡しました」
と伝えれば、連絡した理由が分かります。
「売りたいから」ではなく、「今連絡する意味があるから」。
この状態を作ることが大切です。
④ 過去と同じ提案をそのまま出さない
一度断られたお客様へ、
前回とまったく同じ提案をしても、結果が変わらない可能性があります。
そこで確認したいのが、
「前回から何が変わったのか」
です。
営業側であれば、
- 商品
- 価格
- サービス内容
- 導入事例
- サポート体制
など。
お客様側であれば、
- 担当者
- 組織
- 予算
- 課題
- 事業方針
などがあります。
前回、
「価格が合わない」
と言われていたのに、同じ価格・同じ内容で再提案しても難しいでしょう。
一方、
「新しいプランができた」
「似た課題を持つ企業で導入事例ができた」
などの変化があれば、再提案する理由になります。
再アプローチは、前回の営業のやり直しではありません。
今のお客様に合わせて、もう一度考えます。
⑤ 反応がなければ追い続けない
過去に商談したことがあるお客様だからといって、必ず返信してもらえるわけではありません。
担当者が異動しているかもしれません。
現在は必要性がないかもしれません。
単純に忙しい場合もあります。
何度か連絡して反応がない場合は、
「以前〇〇についてお話しさせていただきましたが、現在はご検討のタイミングではないかと思いますので、いったんこちらからのご連絡は控えます。また何かございましたらお気軽にご連絡ください」
と区切る方法もあります。
そして、
「半年後に再確認」
など、社内の案件管理に残しておきます。
大切なのは、
休眠顧客を再び追い続ける案件にしないこと。
今動く可能性があるのかを確認し、優先順位を判断します。
休眠顧客へのメール例
例えば、以前商談したお客様へ半年ぶりに連絡するなら、次のような内容です。
「〇〇様
ご無沙汰しております。
以前、〇〇についてお打ち合わせさせていただきました△△です。
その際は、導入時期がまだ先とのことでお話が止まっておりましたが、その後状況はいかがでしょうか。
弊社でも当時からサービス内容が一部変わり、現在は〇〇についても対応できるようになりました。
もし現在も同様の課題をお持ちでしたら、改めて情報交換のお時間をいただければと思い、ご連絡いたしました。
現時点でご検討の予定がなければ問題ございません。
お時間のある際に、現在の状況だけでもお聞かせいただけますと幸いです。」
ポイントは、
「以前何を話したか」と「なぜ今連絡したか」
を入れることです。
どの休眠顧客から連絡する?
過去の顧客が100社あれば、すべてに同じように連絡する必要はありません。
まずは、
A:以前は時期だけが合わなかった
商品への関心は高かったものの、
「来年度に検討する」
「予算が取れたら考える」
というお客様です。
再アプローチしやすい候補です。
B:以前取引があった
一度契約していたお客様も確認します。
なぜ契約が終わったのかを確認したうえで、状況が変わっていれば再提案できる可能性があります。
C:失注理由が明確
「価格」
「競合」
「時期」
など、前回進まなかった理由が分かっているお客様です。
その理由が現在は解消されているなら、再アプローチを検討できます。
D:何も記録が残っていない
過去に商談した形跡はあるものの、
「なぜ失注したのか」
「誰と話したのか」
「何を提案したのか」
が分からない案件です。
この場合は、いきなり提案するより現在の状況確認から始めます。
休眠顧客リストに入れておきたい項目
休眠顧客を継続的に管理するなら、最低限次の項目を残しておくと便利です。
- 会社名
- 担当者名
- 最終商談日
- 過去の提案内容
- 失注・取引終了理由
- 当時の課題
- 再アプローチ予定日
- 再アプローチする理由
- 次回アクション
特に重要なのが、
「再アプローチ予定日」
です。
「いつか連絡しよう」
では、そのまま忘れてしまいます。
「10月に来年度予算を検討すると言っていたから9月に連絡する」
など、理由と日付をセットで残します。
私が休眠顧客営業で大切だと思うこと
営業では、新しい会社を探すことに目が向きがちです。
もちろん、新規開拓は必要です。
ただ、過去に一度話したお客様の中にも、今なら提案できる会社があるかもしれません。
以前はタイミングが合わなかった。
以前は予算がなかった。
以前は必要性がなかった。
それだけで、
「この会社とは縁がなかった」
と決めてしまうのは少し早いと思います。
一方で、
「一度商談したから絶対に契約できる」
と考えて何度も追い続けるのも違います。
大切なのは、
前回から何が変わったのかを確認すること。
お客様にも、自社にも変化があります。
その変化によって、もう一度話す意味が生まれた時に再アプローチする。
これが休眠顧客営業では大切だと思っています。
まとめ
休眠顧客へ再アプローチする時は、次の5つを意識してみてください。
- なぜ取引や商談が止まったのか確認する
- 前回の状況を踏まえて連絡する
- 今連絡する理由を作る
- 過去と同じ提案を繰り返さない
- 反応がなければ追い続けない
まずは過去の案件を一度見返してみてください。
その中に、
「商品が悪かったのではなく、タイミングが合わなかっただけ」
というお客様はいないでしょうか。
もし見つかったら、
「以前〇〇についてお話ししましたが、その後状況はいかがでしょうか?」
という一言から、もう一度会話を始めてみてください。

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